
謎解きKOUBA-2

【れいあ】
伯爵。
ここが、
有限会社一成モールドさんですね。
【ウスラタラーズ伯爵】
……ふむ。
「モールド」とは、
型を意味する言葉だな。
ここでは、
どのような型を作っているのかね?
【れいあ】
一成モールドさんが作っているのは、
プラスチックを成形するための
「金型」です。
会社の業務内容にも、
プラスチック成形用金型の
設計・製作、
そして、
各種金型部品の加工と
書かれています。
【ウスラタラーズ伯爵】
なるほど。
我々が普段目にする
プラスチック製品そのものではなく、
その形を生み出すための
金型を作っているわけだな。
【れいあ】
はい。
伯爵、
実は身の回りにある
プラスチック製品の多くが、
こうした金型を使って
作られているそうですよ。
【ウスラタラーズ伯爵】
ほう。
完成品だけを見ていては、
なかなか気づかぬ仕事だな。
【れいあ】
金型の仕組みも
面白いんです。
金型を射出成形機に取り付けて、
高温・高圧にした樹脂を
金型の中へ流し込みます。
そして冷却して固め、
金型を開いて
製品を取り出します。
【ウスラタラーズ伯爵】
つまり、
金型の内部に作られた形が、
そのまま製品の形を
決めるということか。
【れいあ】
そうなんです。
だから、
樹脂が入る部分には
特に高い加工精度が
求められるそうですよ。
【ウスラタラーズ伯爵】
なるほど。
同じものを
繰り返し作るためには、
その基準となる金型そのものが
正確でなければならぬわけだ。
【れいあ】
しかも、
一成モールドさんが作る金型には、
重いものだと
約2トンになるものも
あるそうです。
【ウスラタラーズ伯爵】
……2トン?
それは、
随分と大きな「型」だな。
【れいあ】
ですよね。
でも、
大きいものだけじゃないんです。
一成モールドさんでは、
1円玉より小さいものから、
A3サイズほどまでの
プラスチック製品に
対応しているそうです。
【ウスラタラーズ伯爵】
小さなものから
大きなものまで。
その形を生み出すために、
精密な加工が必要になるわけか。
【れいあ】
はい。
最新のマシニングセンターや
ワイヤーカット加工機などを使って、
高硬度の材料を
切削・放電加工し、
精密に作られた部品を
熟練の技術で組み上げて
金型にしているそうです。
【ウスラタラーズ伯爵】
機械による精密加工と、
人が積み重ねてきた技。
その両方が必要なのだな。
【れいあ】
そして、
一成モールドさんは、
金型を作るだけではありません。
「プラスチックで、
こんなものを作りたい」
というアイデアを、
実際の製品にして
量産化することもできるそうです。
【ウスラタラーズ伯爵】
ほう。
まだ形になっていないものを、
製品へとつなげるのか。
【れいあ】
実物をイメージしにくい場合には、
3Dプリンターを使って
簡単な試作もできるそうですよ。
そして成形については、
経験豊富な地場の成形会社さんと協力して、
試作から量産まで
行っているそうです。
【ウスラタラーズ伯爵】
なるほど。
一社の技だけで
完結させるのではなく、
地域にある技術ともつながりながら、
製品を形にしていくわけだな。
【れいあ】
作ることができるものも
幅広いんです。
自動車部品をはじめ、
建材や日用雑貨など、
ジャンルを問わず
対応しているそうですよ。
【ウスラタラーズ伯爵】
金型というものが、
我々の暮らしの
随分と多くのところに
関わっていることが分かるな。
【れいあ】
そして伯爵。
一成モールドさんには、
自分たちで企画した商品もあるんです。
【ウスラタラーズ伯爵】
金型を作る会社が、
自ら商品を?
【れいあ】
はい。
「RAPHTOOL(ラフツール)」という
書道具です。
習字や書道を、
もっとたくさんの人に
気軽に楽しんでもらうために作られたもので、
企画から製造まで
日本で行われています。
【ウスラタラーズ伯爵】
なるほど。
依頼された金型を作るだけではなく、
自分たちの技術から、
新しい製品も生み出しているのだな。
【れいあ】
さらに、
お米由来の
国産バイオマス樹脂を使った
製品化にも対応しています。
【ウスラタラーズ伯爵】
お米由来の樹脂、か。
【れいあ】
実際に、
「MAKES AND THINGS」と共同制作した
「momo Rice Plastic Plate」では、
廃棄されるお米を10%使って
製品化しているそうです。
新潟生まれの
「ライスレジン」が
使われています。
【ウスラタラーズ伯爵】
ふむ。
金型という技術を軸にしながら、
3Dプリンターを使い、
自ら商品を生み出し、
新しい素材にも取り組む。
技を守るとは、
昔と同じことだけを
続けることではないようだな。
【れいあ】
はい。
一成モールドさんを知ると、
普段見ている
プラスチック製品の向こう側にも、
金型を設計する人、
精密に加工する人、
組み上げる人、
いろいろな技があることが
見えてきますね。
【ウスラタラーズ伯爵】
悪くない理解だ、れいあ。
完成品だけを見ていては、
ものづくりのすべては見えぬ。
「この形は、
どうやって生まれたのか」
その一歩奥へ
目を向けること。
そこにもまた、
匠の技が隠れているのである。
【れいあ】
ふふっ。
ここまで聞いたあなたなら、
少しずつ
見えない技まで
見つけられるようになってきたかもしれませんね。
【ウスラタラーズ伯爵】
……ほう。
ならば、
確かめてみるとしよう。
【れいあ】
あっ。
伯爵、
その言い方は……。
【ウスラタラーズ伯爵】
ここで諸君らに、
次の試練を与える。
【れいあ】
やっぱり!
それでは、
あなたも一緒に
問題に挑戦してみましょう!
よーく考えて、
答えを選んでくださいね。
【ウスラタラーズ伯爵】
ふむ。
目に見えるものだけに
惑わされぬことだ。
諸君ら自身の目で考え、
用意された三つの答えの中から、
正解を導きたまえ。
諸君らの観察力に、
期待しているよ。
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