
謎解き-10 株式会社 マルト長谷川工作所

【れいあ】
わぁ……。ここが、マルト長谷川工作所さんなんですね。
大正13年、1924年に創業した、三条市の作業工具メーカーなんですよ。
ペンチやニッパーなどの「KEIBA」ブランドで知られていて、世界30か国以上で販売されているそうです。
【ウスラタラーズ伯爵】
……ふむ。
KEIBA、か。馬の印を掲げた工具。なかなか印象的な名だ。
【れいあ】
このKEIBAという名前は、創業者の長谷川藤三郎さんが競走馬の姿に魅せられたことから使われてきたそうです。
走る姿の美しさや力強さを、工具にも重ねていたのかもしれませんね。
【ウスラタラーズ伯爵】
美しさと力。そして、無駄のない動き。優れた道具にも、同じものが求められる。
悪くない。
【れいあ】
マルト長谷川工作所さんは、鍛造から包装まで、工具を作るために必要な50以上の工程を自社で行っているそうです。
最初から最後まで、自分たちの手で品質を守っているんですね。
【ウスラタラーズ伯爵】
ふむ。
一貫生産か。それは、責任を最後まで手放さぬということだ。
一つの工程が乱れれば、道具の完成度は崩れる。
だからこそ、全体を見渡す目が必要となる。
【れいあ】
しかも、KEIBA製品の多くには「マルトロイ」という特殊鋼材が使われているそうです。
切れ味のために硬さを高めるだけじゃなくて、粘り強さも必要なんですね。
【ウスラタラーズ伯爵】
その通り。ただ硬いだけの金属は、脆くなる。
強さとは、折れぬことだけではない。力を受け止め、耐え、仕事を果たし続けることだ。
【れいあ】
ペンチやニッパーって、小さな工具に見えますけど……
素材選びも、鍛える工程も、仕上げも、全部が詰まっているんですね。
【ウスラタラーズ伯爵】
ようやく見えてきたか。手の中に収まる道具ほど、ごまかしは効かぬ。
握る。挟む。切る。その一瞬のために、多くの工程と技が積み重ねられている。
【れいあ】
なんだか、工具って“職人さんを支える職人の道具”なんですね。
作る人の手元を、さらに別の職人さんが支えている。
【ウスラタラーズ伯爵】
悪くない理解だ、れいあ。道具を作る道具。技を支える技。
その連なりこそ、ものづくりの町の強さである。
さて――
ここまで辿り着いた諸君らに、次の試練を与えよう。
【れいあ】
来ましたね、伯爵の問題。あなたも一緒に考えてみてください。
【ウスラタラーズ伯爵】
ふむ。この場所には、握り、挟み、切るための道具を磨き続けてきた技がある。
諸君らは、その本質を見抜くことができるだろうか。
用意された三つの答えの中から、この場所にふさわしい答えを導きたまえ。
【れいあ】
この場所をよく見れば、きっとヒントが見つかるはずです。
謎解き-10



