解説KOUBA-2


【れいあ】
あっ……!
正解は、
Bの「かながた」ですね!
【ウスラタラーズ伯爵】
……御名答だ、諸君ら。
しかし、
なかなか興味深い答えではないか。
【れいあ】
「かながた」が、ですか?
【ウスラタラーズ伯爵】
ふむ。
完成したプラスチック製品を手にしても、
そこに金型そのものは
残っていないだろう?
【れいあ】
あ……。
確かに。
私たちが普段目にするのは、
金型から生まれた
“製品の方”ですもんね。
【ウスラタラーズ伯爵】
その通り。
金型は、
完成品になれば姿を見せぬ。
だが――
その形を生み出すためには、
欠かすことのできない存在だ。
【れいあ】
なんだか不思議ですね。
自分自身は製品にならないのに、
たくさんの同じ形を
生み出していく。
【ウスラタラーズ伯爵】
ふむ。
だからこそ、
金型を作る仕事には
正確さが求められる。
元となる形が違えば、
そこから生まれるものにも
影響するからな。
【れいあ】
そう考えると、
金型って、
製品の“はじまり”を作っているんですね。
【ウスラタラーズ伯爵】
悪くない表現だ、れいあ。
目立つのは、
最後に完成した製品かもしれぬ。
だが、
その一歩前には金型があり、
さらにその金型にも、
設計や加工、
組み上げる技がある。
【れいあ】
一つの製品を見ても、
その後ろには、
私たちからは見えない仕事が
たくさんつながっているんですね。
【ウスラタラーズ伯爵】
それこそ、
諸君らに気づいてほしいことだ。
燕三条のものづくりを知るなら、
完成品だけを見て
満足してはならぬ。
それを生み出すために、
どんな技が必要なのか。
誰がその技を支えているのか。
一歩、
その奥まで見ることだ。
【れいあ】
ふふっ。
一成モールドさんを知る前だったら、
プラスチック製品を見ても、
その後ろに「金型」があるなんて
あまり考えなかったかもしれません。
【ウスラタラーズ伯爵】
だが、
今は少し違うだろう?
【れいあ】
はい。
完成したものだけじゃなくて、
「これを生み出している技は何だろう」
って、
その向こう側まで
見てみたくなりました。
【ウスラタラーズ伯爵】
……ふむ。
ようやく、
守護者らしい目になってきたようだな。
匠の技とは、
いつも目立つ場所にあるとは限らぬ。
完成品には姿を残さずとも、
確かにその形を支えている技がある。
諸君ら。
これから燕三条を巡るときも、
見えているものだけで
すべてを判断してはならぬぞ。
【れいあ】
あなたもぜひ、
完成したものの
“もう一歩向こう側”にある仕事を
探してみてください。
そこにもきっと、
まだ知らない匠がいますよ。
【ウスラタラーズ伯爵】
ふむ。
答えは「かながた」。
だが、
諸君らが今日見つけたものは、
その言葉だけではないはずだ。
見えない技を見つける目――
その目を、
次の旅にも持っていきたまえ。
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