解説-9 有限会社 石崎剣山製作所

【正解:B 単】

 

【れいあ】
あっ……!答えは、「単」ですね。
一文字だけなのに、なんだか強い言葉です。

【ウスラタラーズ伯爵】
……御名答だ、諸君ら。
単。ひとつ。ただひとつ。余計なものをそぎ落とした形である。

【れいあ】
剣山も、そうかもしれませんね。花を支えるための道具。
役割はとてもシンプルなのに、その働きがないと、花の向きも、高さも、作品の形も決まらない。

【ウスラタラーズ伯爵】
ふむ。単純に見えるものほど、ごまかしが効かぬ。
針の並び。土台の重さ。花を受け止める安定感。
その一つひとつが、美しさを支えている。

【れいあ】
石﨑剣山製作所さんは、活け花に欠かせない剣山をずっと作り続けてきたんですよね。
伝統を大切にしながら、新しい挑戦も続けている。
ただ昔のまま残すだけじゃなくて、今の暮らしにも花を添えようとしているんだ……。

【ウスラタラーズ伯爵】
その通り。花のある暮らしは、大げさである必要はない。
一輪でもよい。小さな器でもよい。そこに花があるだけで、空間は変わる。

【れいあ】
……だから「単」なんですね。
たった一つの花でも、たった一つの道具でも、暮らしを少し変える力がある。

【ウスラタラーズ伯爵】
悪くない理解だ、れいあ。
匠の技とは、大きく目立つものだけではない。
小さく、静かで、それでも確かに支えるもの。
そこにもまた、守るべき価値は宿る。

【れいあ】
なんだか、剣山を見る目が変わりました。
花を飾るって、特別な人だけのものじゃなくて、日常を少し豊かにすることなんですね。

【ウスラタラーズ伯爵】
ふむ。ようやく本質が見えてきたようだ。

諸君らの観察力、なかなか見事だった。
次の場所でも、その目を曇らせぬことだ。期待しているよ。