解説-6 包丁工房タダフサ

【正解:A ひがし】

 

【れいあ】
あっ……!答えは、「ひがし」ですね。
タダフサさんの住所にも、“東”の文字が入っていました。

【ウスラタラーズ伯爵】
……御名答だ、諸君ら。
ひがし。土地を知り、周囲を見ていなければ、辿り着けぬ答えだ。

【れいあ】
包丁って、ただ切れればいいわけじゃないんですね。
タダフサさんの道具を見ていると、毎日の料理の時間をちゃんと考えて作られている感じがします。

【ウスラタラーズ伯爵】
その通り。タダフサの包丁は、飾るための刃ではない。
日々の食卓で使われ、研ぎ直され、また使われる。
そうして初めて、道具は持ち主の時間に馴染んでいく。

【れいあ】
……あ。だから、“長く使える”ことが大切なんですね。
使い捨てじゃなくて、手入れをしながら、少しずつ自分の道具になっていく。

【ウスラタラーズ伯爵】
ふむ。真に優れた道具とは、使うほどに価値を増すものだ。
手の癖を覚え、暮らしに馴染み、やがて無くてはならぬ存在になる。

【れいあ】
なんだか、包丁って道具なのに、少し“相棒”みたいですね。

【ウスラタラーズ伯爵】
悪くない表現だ。職人達は、ただ鉄を削っているのではない。
使う者の時間そのものを、形にしているのだ。

【れいあ】
毎日の料理って、当たり前みたいに感じていましたけど……
その裏には、こういう職人さん達の技術がずっと支えていたんですね。

【ウスラタラーズ伯爵】
ようやく、本質が見えてきたか。匠とは、ただ物を作る者ではない。
人の暮らしを支え、時間を積み重ね、日常を豊かにする者達だ。

さて――
諸君らの観察力、なかなか悪くなかった。
次の場所でも、その目を曇らせぬことだ。期待しているよ。