解説-3 道の駅 SORAIRO 国上


【れいあ】
あっ……!正解は、「B せあぶら」ですね。
【ウスラタラーズ伯爵】
……御名答だ、諸君ら。
背脂。この地の食文化を語るうえで、見逃せぬ言葉である。
【れいあ】
SORAIRO国上さんの食堂には、燕三条らーめん潤さんが入っているんですよね。
燕三条背脂ラーメンは、煮干しなどの出汁が効いた、やや濃い醤油味のスープに、背脂の甘みが重なるのが特徴だそうです。
【ウスラタラーズ伯爵】
ふむ。背脂は、ただ濃さを足すためだけのものではない。
湯気が上がりにくいほど、丼の熱を閉じ込める。
そこに、この土地らしい理由がある。
【れいあ】
燕三条背脂ラーメンは、昭和初期の燕市で、金属洋食器産業の職人さんたちの要望から進化していったそうです。
汗をかいて働く人に合わせた、少し濃いめのスープ。伸びにくくて腹持ちのいい太い麺。
そして、出前でも冷めにくいようにスープを覆う背脂。
ちゃんと、働く人たちの暮らしから生まれているんですね。
【ウスラタラーズ伯爵】
その通り。食とは、土地の都合から生まれる。
働く者の時間。体力。腹を満たす必要。冷めぬように届ける工夫。
それらが重なって、一杯の形になる。
【れいあ】
道の駅って、地域の名物に出会える場所でもありますよね。
SORAIRO国上さんで燕三条背脂ラーメンに触れられるのは、旅の人にとっても、この地域を知る入口になるんだと思います。
【ウスラタラーズ伯爵】
悪くない理解だ、れいあ。名物とは、ただ珍しい食べ物ではない。
その土地の暮らしを映すものだ。背脂の下には、職人の町の時間がある。
【れいあ】
……なんだか、ラーメンを見る目が変わりました。
おいしいだけじゃなくて、どうしてこの形になったのかを知ると、その土地のことまで見えてくるんですね。
【ウスラタラーズ伯爵】
ようやく見えてきたか。守護者に必要なのは、答えを当てる力だけではない。
その答えの奥にある、人の暮らしを見抜く力である。
さて――
諸君らの観察力、なかなか見事だった。
次の場所でも、その目を曇らせぬことだ。期待しているよ。
