解説-17 とんかつ三条

【正解:②】

【れいあ】
あっ……!正解は、「②」ですね。

【ウスラタラーズ伯爵】
……御名答だ、諸君ら。
だが今回、大切なのは番号そのものではない。
この場所に根づいた“味の記憶”である。

【れいあ】
とんかつ三条さんといえば、新潟名物のタレかつ丼ですね。
公式サイトでも、新潟タレかつ丼は「当店一番人気メニュー」と紹介されています。

【ウスラタラーズ伯爵】
ふむ。甘しょっぱいタレに揚げたカツをくぐらせる。
卵で閉じず、タレとカツと飯で勝負する。潔い一杯だ。

【れいあ】
新潟タレかつ丼は、昭和初期の新潟市で、屋台でも手軽に食べられるように作られたのが始まりと言われているそうです。
それが今では、新潟名物として親しまれているんですね。

【ウスラタラーズ伯爵】
食とは、土地の暮らしから生まれる。
手早く食べられること。満足できること。また食べたくなること。
そうした日々の理由が積み重なり、やがて名物となる。

【れいあ】
とんかつ三条さんのタレかつ丼も、創業当時から長い時間をかけて人気になったメニューなんですよね。
最初から“名物です”って作ったというより、お客さんに選ばれ続けて、育ってきた味なんだ……。

【ウスラタラーズ伯爵】
その通り。長く残る味とは、声高に名乗るものではない。
食べた者が覚え、また足を運び、次の者へ伝える。
その繰り返しによって、店の看板となる。

【れいあ】
しかも、タレかつ丼だけじゃなくて、チキンタレかつ丼、ヒレタレかつ丼、卵とじかつ丼もあるんですね。
いろんな人が自分の好きな一杯を選べるのも、地域のお店らしくていいです。

【ウスラタラーズ伯爵】
ふむ。地域に根づく店とは、一つの正解だけを押しつけぬ。
腹を満たす者。家族で訪れる者。旅の途中で立ち寄る者。
それぞれの時間を受け止める。

【れいあ】
なんだか、一杯のかつ丼にも、この町の暮らしが詰まっている気がします。
ものづくりの町を歩いたあとに食べると、きっと余計においしく感じますね。

【ウスラタラーズ伯爵】
悪くない感性だ、れいあ。
匠の町を支えるものは、工場や道具だけではない。
働く者の腹を満たし、家族の時間を作り、土地の記憶として残る味。
それもまた、守るべき価値である。

さて――
諸君らの観察力、なかなか見事だった。
次の場所でも、その目を曇らせぬことだ。期待しているよ。