解説-16 大黒亭 松屋小路店

【正解:②】

【れいあ】
あっ……!正解は、「②」ですね。

【ウスラタラーズ伯爵】
……御名答だ、諸君ら。
だが今回は、答えの番号そのものよりも、この場所に残る味を知ることに意味がある。

【れいあ】
大黒亭 松屋小路店さんといえば、やっぱり三条カレーラーメンですよね。
大黒亭さんは、三条カレーラーメンの老舗として知られていて、松屋小路店さんは本店からのれん分けされたお店なんです。

【ウスラタラーズ伯爵】
ふむ。のれんを分け、味を受け継ぎ、それぞれの店で磨き続ける。
それは、技の継承にも似ているな。

【れいあ】
しかも、大黒亭さんのカレーラーメンは、お店では「カレーそば」と呼ばれているんですよね。
小麦粉から作る自家製のカレールーを、今も受け継いでいるそうです。

【ウスラタラーズ伯爵】
即席ではない。積み重ねた手間が、土地の味になる。
食もまた、記憶を受け継ぐ技である。

【れいあ】
三条って、ものづくりの町ですけど……
働く人たちのそばには、こういう力の出る一杯があったんですね。

【ウスラタラーズ伯爵】
道具を作る手も、空腹では動かぬ。
町の技を支えるものは、工場の中だけにあるのではない。
湯気の立つ一杯、通い慣れた店、変わらぬ味。
それもまた、土地の力だ。

【れいあ】
なんだか、カレーラーメンって、ただの名物じゃないんですね。
三条の暮らしの中で、長く選ばれてきた味なんだ。

【ウスラタラーズ伯爵】
悪くない理解だ、れいあ。
受け継がれるものには、必ず理由がある。
派手だから残るのではない。珍しいから残るのでもない。
人が求め続けたから、残ってきたのだ。

【れいあ】
……この町を歩いていると、工場や道具だけじゃなくて、食べ物にも歴史があるんですね。

【ウスラタラーズ伯爵】
ようやく見えてきたか。匠の町を知るには、技を見るだけでは足りぬ。
そこで働く者が何を食べ、何を愛し、何を次へ残してきたか。
そこまで見てこそ、町の姿が見えてくる。

さて――
諸君らの観察力、なかなか見事だった。
次の場所でも、その目を曇らせぬことだ。期待しているよ。